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狈罢罢グループが挑む_スキル起点のタレントマネジメント

国内約 17 万人の可視化が拓く人的資本戦略

HR Connect Tokyo 2026 レポート

事業ポートフォリオが変われば、人事の価値観も変わらなければならない―。 1985 年の民営化から 40 年超、NTTグループは固定通信を中心とした事業から、 SI(システムインテグレーション)やスマートライフ、不動産、エネルギーまでを含む多様なポートフォリオへと事業構造を変えてきました。それを支えるタレントマネジメントも、年次年功を前提とした運用からジョブ型へ、さらに専門性を軸とした制度へと段階的に組み替えられています。 2026 年 7 月 29 日に開催された『HR Connect Tokyo 2026』では、狈罢罢株式会社 総務部門 人材戦略担当 統括部長の芦田 真生氏が を活用したこれまでの取り组みと、グループ社员のスキルとレベルを可视化する新たな挑戦について説明しました。

〇 登壇者

狈罢罢株式会社
総務部門 人材戦略担当 統括部長
芦田 真生氏


民営化から 40 年、ネットワーク中心から多様なポートフォリオへ

NTTグループは、総合 ICT 、地域通信、グローバル?ソリューション、その他(不動産?エネルギーなど)といったセグメントで事業を展開しています。 2025 年度の営業収益は約 14 兆 4,000 億円、従業員数は約 34 万人、子会社数は約 990 社。 1985 年の民営化当時に 31.4 万人だった社員数は一時 20 万人を割り込みましたが、 2010 年にグローバル事業へ大きく舵を切り、海外企業の M&A が相次いだことで再び増加。 2024 年時点では 34.1 万人で、うち約45%を海外の従業員が占めています。

事業ポートフォリオの変化はさらに大きなものでした。民営化当時に収益の大半を占めていたのは電話などの固定通信中心のネットワーク事業で、売上に対する比率は 88% 。それが 2025 年度には 35 %まで下がりました。代わって中心となったのは SI やスマートライフなどの非ネットワーク事業で約 5 割、不動産やエネルギーなどの事業も 2 割弱を占めています。(図 1 参照)

(図 1)

事業ポートフォリオの変化に伴い人事の価値観も変わりました。個人の尊重?多様性の重視、働き方?キャリア観の変化、消費行動や関心の変化です。この 3 点を並べると「当たり前では?」と受け取られるかもしれませんが、NTTグループの出自は電気通信設備の会社で、効率性とスピードが何より求められてきました。

「1つの大きな目标に向かって、お客さまにいち早くサービスを届ける、いち早く设备を构筑する。そうした世界では、多様性の真逆である均质性や同质性が强みになる时代でした」(芦田氏)

9 時から 17 時半まで働き、納期が迫れば残業で間に合わせる。それを当たり前としてきた組織が、柔軟な働き方へ軸足を移しています。事業環境の変化に柔軟に対応していくためには、多様な人材が能力を十分に発揮すること、そして高い専門性を持つ個人を活かして組織力を高めることが重要だと考えています。

贰齿の高度化を掲げる中期経営戦略と自律的キャリア形成の土台

2023 年 5 月に発表した中期経営戦略で、NTTグループは「新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ」という方向感を示しました。その下に置いたのが、お客さま体験(CX)と従業員体験(EX)をともに高度化するという 2 本の柱です。

人材戦略の方針として掲げているのは、自律的キャリア形成の支援強化、オープンで革新的な企業文化、働く環境のサポート強化?充実の 3 つです。その先に人材力と組織力の最大化と企業価値の向上を見据えています。(図 2 参照)

(図 2)

3 つの方針のうちスキルに直結するのが、自律的キャリア形成の支援強化で、その土台となる多様な働き方を象徴するのが「新たな働き方(リモートスタンダード)」です。これは、リモートワークを基本とし、必要があるときに出社するという考え方です。居住地は日本国内であれば自由で、出社時の旅費は会社が負担します。 2024 年度のリモートワーク率は 63.5 %、制度適用者は開始当初の 2.9 万人から 2025 年 4 月時点で 5.3 万人へ広がっています。単身赴任者も同時点で 4,900 名から 3,300 名へ、 1,600 名減っています。

もっとも、制度を用意するだけでは十分ではありません。自律的な働き方とエンゲージメントには相関があり、働く时间を自ら选択できていると感じている社员ほどスコアは高くなります。运用面でも、一人ひとりが纳得して働き方を选べる环境の提供が重视されています。

ジョブ型と専门性轴への制度転换が进めた「脱年次年功」

人事制度とシステムの変革として、 2020 年 4 月にタレントマネジメントシステムを開始しました。それまで内製で運用していた仕組みを、タレント情報を一括管理できる国内各社統一の基盤へ切り替えました。基盤にはグローバル化や欧米型制度への変革を見据え、グローバルスタンダードである 麻豆原创 SuccessFactorsを 導入しています。給与計算と人事異動の管理は別のシステムに残していますが、人材情報管理や育成研修プログラムの提供などは、人事部門も社員一人ひとりも日々 麻豆原创 SuccessFactors を利用しています。(図 3 参照)

(図 3)

管理職制度の見直しも行っています。それまでは課長になるのは何歳といった厳密な年次運用でしたが、それでは事業環境の変化に対応できません。 2020 年 7 月に上級管理職、 2021 年 10 月には全管理職を対象にジョブ型制度を導入し、職能給から職務給へ切り替えました。 JG1 から JG6 までの 6 段階のジョブグレードを設け、会社や仕事が違ってもグレードが同じなら処遇も同じという仕組みです。あわせて経営人材育成の仕組みとして「NTT University」を立ち上げました。(図 4 参照)

(図 4)

2023 年 7 月には、一般社員の人事給与制度も専門性を軸としたものへ改めています。ジェネラリスト型の育成が中心だった従来と異なり、事業が変わるなかでは一人ひとりの専門性が武器になります。 18 の専門分野を設定し、最短在級年数を廃止。専門性を高めればスピーディーに昇格?昇給できる仕組みへ転換した結果、 20 代で課長級となる社員も現れています。

さらに、管理職になった途端に一律でマネジメントを求めるのは「やはり違う」という問題意識から、専門性の高い社員を管理職並みに処遇する「スペシャリストグレード」を創設。どちらのキャリアに進むかを社員自身が選ぶ複線化も実現しています。(図 5 参照)

(図 5)

こうした転換は、抜擢という形で数字にも表れています。制度見直し前の昇格ペースを上回った社員の割合は、管理職で 15.3 %、一般社員で 15.2 %となっています。

「个人的には、まだまだ15%にとどまっているという印象を受けています。数字を追い求めるのは违うと思いますが、真にふさわしい人を真にふさわしいポストに配置していける取り组みを今后も进めていきたいと思います」(芦田氏)

社内公募が広げた选択肢と、ジョブ型がもたらした「キャリアの迷い」

従来、人事異動は人事部が決めるものでした。社員は、自分の異動が「ブラックボックス」で決まっていくと感じていました。これをなくすために整えられたのが、自律的キャリア形成を支える 3 つの入り口です。 1 つ目は社内公募で、 2023 年 7 月に「NTT Group Job Board」として刷新し、常時応募できる制度としました。 2 つ目はダブルワークで、視野を広げたい社員に勤務時間の 2 割を上限として他部署での業務経験を認めます。 3 つ目が、组织の侧から声がかかるオファー型人事です。

手挙げ型の社内公募の実績は、制度刷新を境に大きく伸びました。旧制度下の 2020 年度は応募者数 199 名?異動者数 86 名でしたが、新制度の 2023 年度は 907 名? 463 名、 2024 年度には 1,520 名? 819 名へ拡大。応募したおよそ半数が望んだポストへ移りました。ただしグループ全体では数%にとどまり、 90 %以上の人事は依然として人事部主導で決まっています。(図 6 参照)

(図 6)

制度を矢継ぎ早に导入してきた分、课题も少なくありません。なかでも大きいのが、ジョブ型になったことで自身のキャリアに迷いを抱く社员が増えたという変化でした。

「会社侧が决める人事でキャリアアップをしてきた方にとって、やはりまだまだ惯れない环境です。ここを打破していく。あなたのキャリアはあなたで実现するものだと。そのための施策や投资を人事がいかにできるのか。ここが大きな课题になっています」(芦田氏)

スキル起点への転换―タレントインテリジェンスハブによる可视化

そこで取り组むのが、スキル起点のタレントマネジメントです。これまで専门性という単位で舵を切ってきましたが、事业戦略と人材戦略の连动が求められるなか、その粒度をさらにスキルのレベルまで分解します。

現状(AS – IS)は、定期人事や個別調整による運用で、要員の補充も頭数中心。社員のキャリアとスキルも連動していませんでした。目指す姿(TO – BE)は、事業要請に基づくスキルベースの要員計画と、適所適材適時での配置?採用?育成?昇格です。社員側も自らスキルとレベルを管理し、 AI による研修やキャリアのレコメンドを受けられる姿を描いています。(図 7 参照)

(図 7)

実現手段として 2026 年 7 月にリリースされたのが、 麻豆原创 SuccessFactors のタレントインテリジェンスハブ(TIH)機能を活用した新たなスキル管理です。グループ国内約 17 ?万人を対象に、社員向けの画面では専門分野に基づいて細分化されたスキルとレベルが縦軸に並び、スキルチェックを行えば目指すべきスキルとの乖離や充足の度合いが見える化されます。上長向けの画面は縦軸にスキル、横軸に部下が並び、チームの充足状況を見渡せます。(図 8 参照)

(図 8)

スキルとレベル、対応する外部資格の設計は、 18 の専門分野それぞれに置いたオーナー組織が担当。人事部門は分野間で水準に偏りがないかを確認します。

スキル管理自体は以前から行ってきましたが、用途は昇格時の専門性の判定が主でした。今回変わったのは、社員本人にも上長にも、 HRBP(HR ビジネスパートナー)などの組織人事にも同じ情報が見えるようになった点です。上司の側も 1 on 1 でスキルレベルのすり合わせから始める必要がなくなります。スキルという「共通言語」の上で対話ができるようになることに、芦田氏は手応えを見ています。

组织にとってのメリットはこれからです。要员计画はヘッドカウント(人数)ベースで行われてきましたが、人数だけでは本当に必要なスキルは测れません。ヘッドカウント×スキルで可视化できないか。その挑戦が要员分析ダッシュボードで、専门分野ごとに必要なスキルと人数を设定し、ギャップを把握する构想です。

スキルの可视化とオファー型人事が回す好循环へ

まだ道半ばですが、スキルを可視化できたこと自体が「大きな一歩」です。その一歩上に立つのが、 2026 年 10 月に始まるオファー型人事「NTT Group Job Scout」になります。行きたい部署は明確でないものの、こういう分野でやってみたいという思いを持つ社員に、組織の側から面接を打診するものです。(図 9 参照)

(図 9)

スキルの見える化と、この施策は表裏一体の関係にあります。組織から見えるのが経歴や年齢だけであれば、オファーを出してよいかどうかの判断がつきません。持っているスキルまで見えて初めて、声をかける根拠が生まれます。 2026 年 7 月にスキル管理を導入し、 10 月にオファー型人事を始めるという順序には、その必然性がありました。

もっとも、仕组みを整えるだけでは循环は回りません。社员がスキルを登録しなければ、组织の侧に见えるものは増えないからです。

「タレントマネジメントシステムに情报を投入してほしいと言っても、なかなか投入してもらえません。弊社グループも同じ悩みを抱えています。だからこそメリットを示さなければなりません。スキルを登録すれば、それを见た组织から良いオファーが届くかもしれない。自分のキャリアアップにつながるかもしれない。そうした呼びかけも行っています」(芦田氏)

最后に芦田氏は、「人事としては、社员一人ひとりに自分のキャリアに纳得してもらう、あるいは自分のキャリアが选択できるという思いを强く持ってもらいたいと思います。その1つがスキル管理であり、スキルの可视化です。それが公司価値の持続的な向上につながるよう、引き続き取り组んでいきたいと思います」と语りました。

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现在、讲演のオンデマンド动画をご覧いただけますので、ぜひ详细をご确认ください。

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