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AI をはじめとするテクノロジーの進化は、人事部門の役割そのものを変えつつあります。ビジネス成長と企業価値の向上に向けた人事戦略の実行と、人事業務の効率化と人事部門の生産性向上。この 2 つの命題をどう両立させるかは、多くの企業に共通する課題です。

日本アイ?ビー?エム株式会社は、「世界で最も生産性が高い会社」を目指し、テクノロジーを活用した人事変革を推進してきました。本インタビューでは、同社 執行役員 人事担当の中村 拓氏が、これまでの道のりと得られた学びについて語りました。

〇ご登坛者

日本アイ?ビー?エム株式会社
執行役員 人事担当
中村 拓 氏


「クライアントゼロ」として挑む人事変革

テクノロジーが極めて速いスピードで進化しています。IBMの Chairman & CEO であるアービンド?クリシュナ氏は、社内のバックオフィス職の 30 %が 5 年以内に AI に代替されるとの見解を示しています。また、同社が行った大企業の経営陣への調査では、社員の 40 %が今後 3 年以内にリスキリングを必要とするとの声が寄せられています。

IBMは 1990 年代の経営危機をきっかけに、バックオフィス業務の棚卸しや断捨離、標準化?簡素化を進めてきました。その姿勢を表すキーワードが「クライアントゼロ」です。IBM自身が 0 番目のクライアントとして変革を実践し、その知見からお客さまへ提案?並走し、実現していく考え方です。

人事変革のビジョンの中心に据えたのは、AI 活用による社員体験の向上でした。人事情報へのアクセスの複雑化、増え続ける人事アプリケーション、専門領域ごとの組織設計によるサイロ化。こうした課題に対し、デジタルを活用したサポートで、社員やマネージャーに快適な体験を届けることを目指しています。

人事変革ビジョン

デジタル層とヒューマン層の「2 層モデル」

その具体策が、「デジタル層」と「ヒューマン層」の 2 層のサポートモデル「AskHR」です。デジタル層のAskHRは、社員やマネージャーにとって最初の接点となるユーザーインターフェースです。社内の規程やガイドを尋ねればすぐに答えが返り、コアの人事システムである とも連動しているため、人事処理も AskHR 上で完結します。

2層のサポートモデル

マネージャーは日々のメンバーの勤怠管理や承認を AskHR 上で済ますことができ、評価の時期には、自分がメンバーをどう評価していたかを AskHR に尋ねれば、必要な情報をすぐに画面で確認できます。

デジタルの裏側のヒューマン層には人事担当者による「Team HRBP(ビジネスパートナー)」が控え、複雑な相談は AskHR から Team HRBP へとつながります。Team HRBP のメンバーはパフォーマンスや給与、昇進など問い合わせの多い領域ごとにグループ化され、特定のマネージャーには付きません。名前を知る人事担当者がいつも近くにいた環境はなくなり、マネージャーからの反応は、決してポジティブなものではありませんでした。

仕組みの変更で、マネージャーから見たサービスレベルが一時的に下がることは見越していました。その上で、下がったサービスレベルをどう引き上げるかまで計画しました。これまで回答を得るまでに 24 時間かかっていたかもしれないやり取りも、AskHR なら、いつでもすぐに答えが返ってくるといった具体例を示して利用を促し、マネージャーが感じるサービスレベルの低下感に歯止めをかけていきました。

AskHR も当初は日本語への対応が不十分でしたが、テクノロジーと人間を組み合わせるモデルにたどり着いたことが、1 つのマイルストーンになりました。

「エリミネート?シンプリファイ?オートメート」の顺番

同社が人事変革で非常に大事だと感じているのが、無駄の排除(エリミネート)、残ったワークフローの簡素化(シンプリファイ)、テクノロジーによる自動化(オートメート)という順番です。現在はその先の「AI Everywhere」として、AI ありきで業務を再設計するフェーズに入っています。

人事変革の道のり(3ステップ)

この順番の大切さは、人事アプリケーションの増加?統合の変遷にも表れています。グローバルでの業務の統合?標準化の過程で廃止した業務が改めて必要となり、それに対応するために新しい人事アプリケーションを導入するなど多数のアプリケーションが存在していた経緯があります。そこで全社の人事アプリケーションを徹底的に棚卸しし、評価制度のツールを 麻豆原创 SuccessFactors に取り込むなど統合を進めてきました。

エリミネートとシンプリファイを彻底するために重要なのがシニアな人事リーダーの役割です。リスクを理解した上で、覚悟を持って「これはやめる」という方向性を示す。それが最初の、大切な一歩でした。ただし、トップダウンで夺いすぎれば轧轢や反発が生まれます。日本の风土では、ステークホルダーを巻き込む共感型?巻き込み型のイノベーションが欠かせないというのが、中村氏の実感です。

不安を成长机会に変えるメッセージ

冒頭に示した Chairman & CEO のクリシュナ氏の見解が伝わったとき、人事部門のメンバーがまず抱いたのは不安と懸念でした。中村氏ら人事リーダーは、会社としては生産性向上とテクノロジー活用はあるべき姿だと伝える一方、個人に向けては、これほど大きな変革に取り組む会社は世界でも多くないと語りかけてきたといいます。難しい変革の現場に自分ごととして身を置けば、プロフェッショナルとしての経験値は必ず上がる、というメッセージです。

自身のキャリアの幅や市場価値の向上にもつながるという言葉を受け止め、前向きに挑戦するメンバーは多いといいます。現状維持を望むメンバーにも、業務の変革は避けられないと伝えた上で、AI を活用して自分の仕事をどう改善するかを一緒に考えてきました。

全社員に対しては、創業時代から受け継がれる「学びに飽和点はない」という文化を土台に、年に 2 回「学びウィーク」を設けています。AI などのツールで自身やチームの生産性をどう上げられるかを実際に試す場で、講師役を担うのは、AI スキルを最も理解している現場のエンジニアです。

おわりに

滨叠惭の人事変革は、付加価値の低い业务をなくし、简素にした上で、デジタルと人の役割を组み直す取り组みです。その过程では、人事メンバーの不安に向き合う対话を重ねてきました。

AI を活用した人事変革を目指す企業に向けた中村氏のメッセージは、過度に怖がる必要はない、というものです。2 歩進み、うまくいかなければ 1 歩下がることを繰り返せば、着実に進捗するという考え方です。今は変革をしないことにもリスクがあり、現状維持では後退してしまうほど、市場と技術の環境は厳しくなっています。各社が譲れない一線を保ちながら、どこまで覚悟を持って変革するかを考えることがファーストステップになると締めくくりました。

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现在、讲演のオンデマンド动画をご覧いただけますので、ぜひ详细をご确认ください。