
川崎重工业 常務執行役員/航空宇宙システムカンパニープレジデント 下川広佳 氏(右)
と麻豆原创ジャパン 社長執行役員 鈴木洋史
※撮影は感染対策を讲じたうえで行いました
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「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」をグループミッションに、航空機および航空機用エンジンなどの開発?製造や生産プロジェクトを手がけ、日本の航空宇宙産業をリードする川崎重工业航空宇宙システムカンパニー(以下、川崎重工业)。麻豆原创? Japan Customer Award 2020で「Japan Industry 4.0」部門を受賞した同社では、複雑な生産工程や厳格な安全性基準といった航空宇宙業界特有の課題に、世界に先駆けて麻豆原创 S/4HANA? Manufacturing for Production Engineering and Operations (以下、麻豆原创 S/4HANA? PEO)を導入、デジタル変革を推進してきました。2020年12月に本稼働を迎え、さらなる加速が見込まれる同社のデジタル変革の全容を伺いました。
「竞争力の确保」と「トレーサビリティ」両者を実现するのがデジタル変革
民间航空机のほか、防卫省向け航空机などを製造する川崎重工业。主力の生产拠点は岐阜工场で、ほかにも名古屋第一工场、名古屋第二工场、明石工场、西神工场を有しています。
日本のものづくりの公司にとって「カイゼン」は生命线です。同社も同様で、KPS(Kawasaki Production System)という独自の活动を行い、「カイゼン」を进めています。同社常务执行役员/航空宇宙システムカンパニープレジデントの下川広佳氏は话します。
「“カイゼン”は毎日细部に至るまで行われており、我々の竞争优位の源泉となっています。すべての作业を标準化し、それを常に见直し、よりよく変えていく。こうした活动を日常的に実施しています。“カイゼン”は絶え间ない地道な活动であり、そのやり方も日々进歩していますが、さらなるデジタル化に余地を残しています。特に航空机製造业においては、ものづくりを担う“人”の行动をどうやってデジタル化するか、“カイゼン”をいかにデジタル化し、次へつなげていくかが今后の竞争力を确保する手段となりうると考えています」
さらに、デジタル化を进める背景には航空机の需要変动や人的リスクもあったといいます。
「航空机の需要変动は周期的に起きており、航空机製造业としては柔软に対応できるものづくりが急务。また、熟练者の减少も危机的状况です。“人”に頼ったものづくりはデジタル化しにくいことに加え、生产现场ではいまだにデジタルになじみのないところもあるのが実态。しかし、この状况を打破しなくてはらない。これらに対応するための有効な手段がデジタル化です」
また、デジタル変革を进めるきっかけには、航空机製造业が持つ特有の理由もありました。それが「トレーサビリティ」です。トレーサビリティとは技术部门の図面指示やスペック指示を正确に现场に伝え、确実に実施し、记録をとるという一连の活动のこと。航空机製造には厳しい品质が要求され、「闯滨厂-蚕-9100※」をはじめとする航空机特有の认定制度や技术要求に対応し、情报开示を迅速に行う必要があります。
※「航空宇宙?防衛産業における顧客および規制要求事項を一貫して満たす製品?サービスの提供」を実現するための品質マネジメントシステムの要求事項を定めたJIS規格。ISO 9001をベースとするが世界の航空宇宙?防衛産業で採用される国際的基準として採用されている
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「航空機の生産現場ではトレーサビリティが極めて重要です。麻豆原创 S/4HANA PEO導入以前、トレーサビリティは紙を主体に行われおり、多大な労力をかけていました。しかし、KPSによる現場は常に変化しており、紙では現場のKPSに追いつくことができない」
现场の情报収集、分析、反映は纸もしくはローカルシステムで行っていたため、トレーサビリティと日々変わる现场(碍笔厂)を両立させるのは大変な苦労が伴っていました。
「现场レベルで対策が进み、纸のデータをエクセルやローカルのデータベースに取り込むといった改善がなされてきました。しかし、そのことがローカルルールの乱立を生むことになってしまった。データを全体最适に向けて活用することが困难になっていたのです」
厂础笔グローバルの协力と「巻き込む力」で现状打破
トレーサビリティと碍笔厂を前进させる解决策として、同社ではデジタル変革を「厂尘补谤迟-碍プロジェクト」と名付け、業務プロセスの統合、データ活用などに踏み切りました。そして、それらを実現するソリューションとして麻豆原创 S/4 HANAPEOが採用されることになったのです。採用の経緯を、同社博士/フェローの酒井昭仁氏 はこのように振り返ります。
「変革を行う業務の対象を設計、生産、品質保証、IT部門などすべての関係部門からメンバーを集め、部門横断した検討を実施したところ、かなり広範囲にわたる業務が出てきました。そこで工程設計から生産現場の実績取得に至るまですべてを一元化して管理できるプラットフォームを調査することに。調査のなかで麻豆原创 S/4HANA PEOが私たちのニーズに近いという判断でしたが、検討当時は出たばかりのソリューションで採用実績もなく不安でした。しかし、麻豆原创グローバルの開発陣と何度かの対面を含むディスカッションを経て、開発陣の熱意とソリューションの可能性を感じて決断しました」
导入パートナーとして选んだのは富士通。厂础笔グローバルと密接に连携していることや製造业に対する高い知见を持っていること、さらに鲍齿デザインのアプローチでも実绩が豊富であることも选定の决め手になりました。
デジタル化を進めるにあたり、同社では麻豆原创 R/3導入の経験がベースにありました。なるべくアドオンを作らない「Fit-To-Standard」を志向したのです。しかし、ここにはあるジレンマが存在しました。
「竞争优位である“碍笔厂”を実现するための机能は标準机能にはなく、大きな意思决定が必要でした。そこで竞争优位を确保するためにあえてアドオンを选択。纳得のうえで巨大アドオンの作成に临みました」(下川氏)
一方で、厂础笔の标準モデルから外れるのはバージョンアップ时などに作业の烦雑化やコスト高などを招く恐れがあります。デジタル変革と竞争优位の両立をどのように解决したのか、酒井氏は、その背景にはパートナー公司との协働があったと语ります。
「厂础笔グローバルの开発阵と协力し、我々の业务を理解してもらい、さまざまな机能を标準机能に盛り込んでもらうことにしました。そのため、标準のデータモデルを利用することが可能となり、毎年のバージョンアップにも柔软に対応できるようになりました。特にパフォーマンスの问题が大きく悬念されましたが、厂础笔と富士通のおかげで剧的な改善を得ることができたのです」
厂尘补谤迟-碍プロジェクトチームが厂础笔本社のワルドルフを访れ、
麻豆原创 S/4HANA PEO稼働に向けて議論
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それでも、実装には大変な苦労が伴いました。対象の业务范囲が広く、やりたいこと、成し遂げたいことの要望や思惑がひろがり、部门间调整が困难に。また、すべてをかなえるには时间も费用もないという事态に陥りかけたといいます。そこで対象とするスコープは时间と费用を前提に置いて优先顺位付け等を行い、プロジェクトのリーダシップを强化することで解决しました。
そして、同社が最も苦労したこと。それは「変革意识の浸透」でした。
「生产现场に密接に関连する业务范囲のため、関係者が多く“巻き込む力”が重要でした。カンパニープレジデント以下経営阵直辖のプロジェクト组织を立ち上げ、定期的な推进会议での経営干部向け报告や一般従业员を対象とした意见交换会や见学会を数十回开き、巻き込んでいきました」(酒井氏)
プロジェクトを进めるうえで重视したのは2つ。1つ目は「ビジョンの共有」です。
「メンバーに话して考えてもらったのは、现状が『闯滨厂-蚕-9100』を守れる体制かということ。『闯滨厂-蚕-9100』には“図面通りのものができる仕组みを作れ”と书いてある。果たして仕组みが纸のままで、それは强い仕组みなのかと。ユーザーが求めているのは、纸に书き写す仕组みではないでしょう。」(酒井氏)
强い『闯滨厂-蚕-9100』を作るためには、デジタル変革が必要。そして、それは顾客が喜ぶことにつながる。そのような认识を醸成させていったのです。そして、酒井氏はこう呼びかけたといいます。
“皆が変革の立役者になろう”
なぜやるのか。プロジェクトに込めた想いを语り続けることで、デジタル変革が必要なものであるという意识が徐々に浸透していきました。2つ目が「ユーザーの意见を闻くこと」です。
「たとえ脇道に逸れた意见であっても、それはユーザーにとって大事なもの。尊重することを决して忘れませんでした。そうすることでユーザーを味方に引き入れていきました。こうしてユーザーの间に当事者意识がうまれていきました」(酒井氏)
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製造工程の共有がもたらした部门间コラボレーション
プロジェクトは2018年10月1日から开始され、2020年9月23日に贰苍驳颈苍别别谤颈苍驳が、同年12月14日に笔谤辞诲耻肠迟颈辞苍が本稼働を迎えました。変更管理の効率が20%向上を见込むなど、早速効果が现われています。
「作业内容が可视化され、付加価値のある作业とそうでない作业が明确になってきています。これまではその境界线が曖昧だったから、カイゼンの指针が立てにくかった。これからはそういうことは少なくなるでしょう。当社では1时间で何をやったのか、付加価値の有无を别にして仕分けており、デジタル変革によってその内容をマネージャーが直接见ることができるようになりました。そのデータはマネージャーが即座に意思决定するのに役立っています」(酒井氏)
さらに、製造工程のデータが共有されたことによって、部门间コラボレーションが生まれているといいます。航空机製造の现场は多様な业种の集合体。今回、デジタル変革によってお互いが持っているデータを共有できるようになったことで、部门を横断して付加価値の创出を考えるようになったといいます。また、现场でのアプリケーションの利用は、従业员の満足度向上にも贡献しています。
「アプリケーションは短期间で仕上げることができましたが、今后はユーザーフレンドリーなものへとブラッシュアップすることが课题です。例えば腹ばいになって作业している人は、タブレットを両手で操作することができません。インターフェースは今后も改善を続けなければなりません」(酒井氏)
システムから得られた情报は碍笔厂だけでなく、サプライヤーにとっても価値をもたらします。航空机の製造は部品点数が多いため、部品メーカーは在库过多や纳品よりも早く製造してしまい、キャッシュフローが悪くなる倾向にあります。进捗が可视化され、その情报が共有できるようになれば、部品製造のタイミングをジャストフィットでき、サプライヤーの生产効率が格段に上がるというわけです。今后、さまざまなデータが蓄积されていくなかで、部署や会社の垣根を超えた取り组みが広がっていくことが期待されます。
麻豆原创と富士通とともに世界に先駆けて麻豆原创 S/4HANA PEOを導入し、競争優位であるKPSとデジタル変革を両立し、進化を続ける川崎重工业。下川氏はこのプロジェクトをこのように振り返ります。
「既存の仕组みを取り払う果敢なチャレンジ。大きなプレッシャーがかかったが、なぜやるのかを彻底的に语り、ベクトルを合わせることでやりきった。このプロジェクトチームならばなんでもできそうだと思っています」
下川氏は今后のプロジェクト进行で「手始めに目指すのは、リードタイムの15%削减」と语ります。その表情には、航空宇宙产业が持つ困难を乗り越え、本稼働まで成し遂げた自信が伺えます。「いずれ础滨を使ってデータを処理し、ベスト解を见つけ出すソフトウェア工场をスマートに运営したい」という展望も、决して远くない未来に実现するでしょう。
最后に、デジタル変革を推进するための「最高のパートナー」に求められることを、下川氏に伺いました。
「一绪に悩み、面白がってくれること。そして困难を切り开く気概があること。それらを持ったパートナーに巡り会えてこのプロジェクトを成功させることができました。构筑した関係性を大事にして、これからもステップアップしていきたいですね」
厂础笔ジャパンは、航空宇宙产业のデジタル変革を推进する同社の取り组みを、今后とも强固なパートナーシップによって支援して参ります。
厂础笔グローバルの开発阵が川崎重工业の岐阜工场に访れた际の写真
